スペシャルティコーヒーの80点とは、SCA(スペシャルティコーヒー協会)のカッピング手順で、10項目の合計から欠点を引いた100点満点の最終スコアが80点以上なら「スペシャルティ」とする線のことです。
スペシャルティコーヒーの80点とは
80点の線は、SCAの2004年のカッピング手順(プロトコル)と評価用紙から来ています。評価者は10の項目を採点し、その合計から欠点を引いて、最終スコアを出します。
SCAは、最終スコアを次のように区分しています。
| 最終スコア | SCAの区分 |
|---|---|
| 90〜100点 | Outstanding(スペシャルティ) |
| 85〜89.99点 | Excellent(スペシャルティ) |
| 80〜84.99点 | Very Good(スペシャルティ) |
| 80点未満 | Below Specialty Quality(スペシャルティではない) |
80点は、スペシャルティかどうかの境目です。90点以上だけをスペシャルティと呼ぶのではありません。
10の項目で、何を測っているか
SCAの評価用紙で採点する項目は、次の10です。
- フレグランス/アロマ(乾いた粉の香りと、湯を注いだあとの香り)
- フレーバー(風味)
- アフターテイスト(後味)
- アシディティ(酸味)
- ボディ(口当たり)
- バランス
- ユニフォーミティ(カップごとの均一さ)
- クリーンカップ(きれいさ)
- スウィートネス(甘さ)
- オーバーオール(総合)
各項目は、6点(Good)から9.75点(Outstanding)まで、0.25点刻みで採点します。尺度は理論上0〜10点で、下のほうはスペシャルティに届かない範囲です。
欠点は別に数えます。はっきりわかるが強すぎない欠点(テイント)は強さ2、強すぎる、または飲めなくなるほどの欠点(フォールト)は強さ4。見つかったカップの数をかけて、合計から引きます。
SCAは、この手順の目的を「評価者が感じた品質を判定すること」としています。評価者は、それまでの経験にもとづいて数値をつけます。オーバーオールは、評価者個人の評価です。
点数は、決まった条件で測る
スコアは、どこでも同じ条件で比べられるように、淹れ方まで決められています。
- 焙煎:カッピングの24時間以内に焙煎し、8時間以上休ませる。焙煎は8〜12分。焙煎度は測色計で決まった値に合わせる。
- 量:水150mlに対して、コーヒー8.25g。
- 挽く:湯を注ぐ15分前以内に挽く。
- 湯:約93℃。注いだら3〜5分、そのまま置く。
- カップ:ひとつのサンプルにつき5カップ以上。均一さを見るため。
生豆にも基準があります。SCAの生豆の格付けでは、350gのサンプルに一次欠点(カテゴリー1)がゼロ、二次欠点(カテゴリー2)が5つ以下であることが、スペシャルティグレードの条件です。
つまりスコアは、決まった条件で淹れたサンプルの評価です。家で淹れる一杯の点数ではありません。
日本の定義と、新しい評価法
日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)は、点数ではなく言葉で定義しています。飲む人の手にあるカップの中の風味がすばらしく、飲む人が満足するコーヒー。そして、種からカップまでのすべての段階で、品質管理が徹底していること(From seed to cup)。
SCAJは、スペシャルティと一般のコーヒーを、カップの中の風味(カップ・クオリティ)で区分するとし、7つの評価基準を挙げています。
- カップのきれいさ
- 甘さ
- 酸味の特徴
- 口に含んだ質感
- 風味特性・風味のプロフィール
- 後味の印象度
- バランス
2024年11月、SCAは新しい評価法「コーヒー・バリュー・アセスメント(CVA)」の3つの規格を正式な基準にしました。2004年のカッピング手順と評価用紙は、これに置き換えられています。
CVAは、ひとつのスコアに頼らず、4つの評価を組み合わせます。生豆の状態を見る評価、味の特徴を記録する評価、評価者や市場の好みを見る評価、そしてカップの外の情報を見る評価。最後のものには、認証、産地のトレーサビリティ、精製の情報が含まれます。
SNöBIは、点数を載せていません
SNöBI(スノビ)は、カッピングスコア80点以上の「スペシャルティコーヒー」の豆を使用しています。点数は、生豆を扱う仕入れ側による評価です。SNöBIでは、その数字を載せていません。
代わりに載せているのは、たどれる事実です。産地、生産者、標高、品種、精製、そして味の印象。4つの豆は、すべて有機JASです。
| 豆 | 生産者 | 標高 | 品種 | 精製 |
|---|---|---|---|---|
| ペルー チリノス ゲイシャ | ミゲル・エステバン・ラミレス・アグルト(チリノス生産者組合) | 1,731m | ゲイシャ | ウォッシュド・天日乾燥 |
| エチオピア グジ タデGG農園 | タデGG農園、タスファイ・ベケレさん | 1,800–2,200m | エチオピア在来種 | ナチュラル・天日乾燥 |
| コロンビア ウィラ | ウィラ南部の複数農園(ASOBOMBO生産者協会) | 1,700m | カトゥーラ・コロンビア | ウォッシュド・天日乾燥 |
| メキシコ チアパス デカフェ | グラポス農協(GRAPOS)の小規模生産者 | 1,400–1,700m | ブルボン・ムンドノーボ・カトゥーラ | ウォッシュド → マウンテンウォーター製法 |
全種類、浅煎りで焙煎しています。100gは¥1,410〜¥2,560、200gは¥2,420〜¥4,720(税込)。
よくある質問
- 80点と90点では、何が違いますか?
- SCAの区分では、80〜84.99点がVery Good、85〜89.99点がExcellent、90〜100点がOutstandingです。いずれもスペシャルティです。
- 80点未満のコーヒーは、何と呼ばれますか?
- SCAの区分では「Below Specialty Quality」。スペシャルティではない品質、という意味です。
- スコアは、だれがつけますか?
- カッピングをする評価者(カッパー)が、決まった手順で採点します。SCAは、評価者がそれまでの経験にもとづいて数値をつけるとしています。
- SNöBIの豆は何点ですか?
- 数字は載せていません。カッピングスコア80点以上の「スペシャルティコーヒー」の豆を使用しています。
- 有機JASとスペシャルティは、関係がありますか?
- 別々の基準です。有機JASは育て方とつくり方、スペシャルティは生豆とカップの品質を見ます。SCAの新しい評価法CVAでは、認証はカップの外の情報として扱われます。




