ナチュラルとウォッシュトの違いは、コーヒーの実を果肉ごと乾かすか(ナチュラル)、果肉を取り除き、発酵させて水で洗ってから乾かすか(ウォッシュト)という精製方法の違いです。
精製とは、実から生豆を取り出す工程
コーヒーの生豆は、コーヒーチェリーと呼ばれる実の中にあります。実から生豆を取り出す工程を、精製と呼びます(全日本コーヒー協会)。
全日本コーヒー協会は、主な精製方法として、水洗式(ウォッシュト)、非水洗式(ナチュラル)、スマトラ式(セミウォッシュト)の3つを挙げています。中米では、果肉を少し残して乾かすハニープロセスも行われています。
表記は「ウォッシュト」と「ウォッシュド」の両方が使われ、意味は同じです。SNöBIの商品ページでは「ウォッシュド」と書いています。
ナチュラル(非水洗式)の工程
ナチュラルは、果肉がついたままの実を乾かし、乾いてから脱穀して生豆を取り出します。全日本コーヒー協会が示す工程は次のとおりです。
- 収穫した実を、色を見ながら選び、完熟の実を残す。
- 実を乾燥場に広げ、2週間ほど天日で乾かす。乾き方をそろえるため毎日かき混ぜ、夜は湿気を防ぐためにシートで覆う。
- 脱穀機で果肉とパーチメント(種を包む硬い殻)を取り除き、生豆を取り出す。
ナチュラルの生豆は、全体に茶色っぽくなります(全日本コーヒー協会)。
SNöBIのエチオピア グジ(タデGG農園)はナチュラルです。農園から約20kmの自社精選所で水槽に入れて選別し、完熟の実だけを手で選んでから、アフリカンベッドの上で天日乾燥させます。果肉をつけたまま乾かすので、果実の甘さが豆に移ります。
ウォッシュト(水洗式)の工程
ウォッシュトは、果肉を取り除いてから乾かします。全日本コーヒー協会が示す工程は次のとおりです。
- 実を水槽に入れ、沈んだ完熟の実を選ぶ。
- 果肉除去機で外皮と果肉を取り除く。種は、ミューシレージ(粘液質)のついたパーチメントの状態になる。
- 1日ほど発酵させてミューシレージを落としやすくし、きれいな水で洗う。
- 天日または機械で乾燥させる。
- 脱穀機でパーチメントを取り除き、生豆を取り出す。
ウォッシュトの生豆は、全体に緑色っぽくなります(全日本コーヒー協会)。
SNöBIのペルー チリノス ゲイシャはウォッシュド・天日乾燥、コロンビア ウィラもウォッシュド・天日乾燥です。メキシコ チアパス デカフェもウォッシュドで精製したあと、薬品を使わないマウンテンウォーター製法でカフェインを抜いています。
ナチュラルとウォッシュトの違いは、カップにどう出るか
全日本コーヒー協会は、ウォッシュトの味を、透明感のあるフルーティな酸味とすっきりした印象、ナチュラルの味を、濃厚でコクのある風味と説明しています。
| ナチュラル | ウォッシュト | |
|---|---|---|
| 乾かすもの | 果肉がついたままの実 | 果肉を除き、水で洗ったパーチメント |
| 主な工程 | 選別 → 乾燥 → 脱穀 | 選別 → 果肉除去 → 発酵 → 水洗 → 乾燥 → 脱穀 |
| 生豆の色 | 茶色っぽい | 緑色っぽい |
| 味の傾向(全日本コーヒー協会) | 濃厚でコクがある | 透明感のある酸味、すっきり |
| SNöBIの豆 | エチオピア グジ タデGG農園 | ペルー チリノス ゲイシャ、コロンビア ウィラ、メキシコ チアパス デカフェ |
味は精製だけでは決まりません。全日本コーヒー協会は、生産国や銘柄、精製方法によってコーヒーの個性が違い、味には焙煎度も大きくかかわると説明しています。
SNöBIの3種で比べる
SNöBI(スノビ)の4種は、すべて有機JAS(オーガニック)の浅煎りです。同じ浅煎りどうしで、精製の違いを比べられます。ナチュラルはエチオピア グジ、ウォッシュトはペルーとコロンビア ウィラ。
| コーヒー | 精製 | 品種 | 標高 | ノート |
|---|---|---|---|---|
| エチオピア グジ タデGG農園 | ナチュラル・天日乾燥(アフリカンベッド、ハンドソート) | エチオピア在来種 | 1,800–2,200m | ベリー、ドライフルーツ、甘さ |
| ペルー チリノス ゲイシャ | ウォッシュド・天日乾燥 | ゲイシャ | 1,731m | フローラル、みかん、紅茶 |
| コロンビア ウィラ | ウォッシュド・天日乾燥 | カトゥーラ・コロンビア | 1,700m | シトラス、キャラメル、バランス |
ナチュラルのグジは、ベリー、ドライフルーツ、甘さ。ウォッシュドのペルーは、フローラル、みかん、紅茶。コロンビア ウィラは、シトラス、キャラメル、バランス。
3種は、品種も標高も違います。だから、カップの違いのすべてが精製によるものではありません。それでも、3種を並べると、ナチュラルの果実の甘さと、ウォッシュトの酸や軽さを確かめられます。
- 3種を、同じ挽き目、同じ粉と湯の量、同じ湯温で淹れる。
- 少し冷ましてから、香り、酸、甘さ、口当たりの順に比べる。
- ノートの言葉と、自分が感じたことを並べて書き留める。
淹れ方の目安は、浅煎りのハンドドリップの記事にまとめています。
よくある質問
- ナチュラルとウォッシュト、どちらがおいしい?
- 優劣ではなく、方法の違いです。SNöBIの中では、果実感と甘さをとりたいならナチュラルのエチオピア グジ タデGG農園、紅茶のように軽やかに飲みたいならウォッシュドのペルー チリノス ゲイシャが目安です。
- 「ウォッシュト」と「ウォッシュド」は違う?
- 同じ精製方法です。水洗式とも呼ばれます。
- ハニープロセスとは?
- 中米で行われている、セミウォッシュトの改良型です。全日本コーヒー協会によると、コスタリカのハニープロセスは、ウォッシュトより水の使用量を抑え、果肉を少し残して乾かします。
- SNöBIのデカフェの精製は?
- メキシコ チアパス デカフェの精製と製法は、ウォッシュド → マウンテンウォーター製法(薬品不使用のデカフェ)です。カフェインは99.9%カットしています。



