コーヒー豆の有機JASマークは、図柄の下の認証機関名とあわせて読み、焙煎した豆の袋にあれば、焙煎の工程も有機JASの認証のもとで行われた印です。
有機JASマークは、何の印か
有機JASマークは、有機JASの規格に合っていることを示す印です。マークを貼れるのは、登録認証機関から認証を受けた事業者だけです。
認証は商品ごとではなく、事業者ごとに行われます。認証を受けた事業者は、自分で生産した食品が規格に合うかを確かめ(これを格付といいます)、合ったものにマークを貼ります。登録認証機関は、認証のあとも年1回以上、調査に入ります。
農産物と加工食品は、このマークがなければ「有機」「オーガニック」と表示できません。マークは、有機と名のるための条件でもあります。
コーヒー豆の有機JASマーク、見るのは3か所
- マーク。太陽と雲と植物をイメージした図柄です。容器や包装の1個ごとに、見やすいところにつける決まりです。
- 認証機関名。マークの下に、事業者を認証した登録認証機関の名前が入ります。略称でもかまいません。認証番号は、ほかの表示で事業者がわかる場合は省略できます。
- 一括表示。名称に「有機」か「オーガニック」の文字が、原材料名には「有機コーヒー豆」のように「有機」の文字が入ります。コーヒーの一括表示では、原材料名のあとに生豆の生産国名も書きます。
たとえば一括表示は、「名称:有機レギュラーコーヒー」「原材料名:有機コーヒー豆(生豆生産国名 ペルー)」のように書かれます。名称の「レギュラーコーヒー」と生豆生産国名はコーヒーの表示ルール(公正競争規約)から、「有機」の文字は有機JASの規格から来ています。
マークの近くに、規格の内容を説明する文字や絵を添えることは認められています。ただし、規格の内容を誤認させる表示はできません。マークは、容器や包装ではなく送り状につけることも認められています。
名称や原材料名に「転換期間中」とあれば、有機への転換を始めたほ場(転換開始後、最初の収穫前1年以上)で育った豆を使っています。
認証機関名から、わかること
認証機関名は、その事業者を認証した機関の名前です。登録認証機関の一覧は、農林水産省のサイトで公開されています。国内の機関も、海外の機関も載っています。
略称は、あらかじめ農林水産省に届け出たものが使われます。登録がなくなった機関の名前を見かけることもあります。農林水産省は、登録の効力を失う前の機関名(略称)が記載されたJASマークは有効、としています。
日本と有機の同等性がない国のコーヒーを有機として輸入するには、現地の生産者や輸出業者が登録認証機関から有機JASの認証を受ける必要があります。生豆の麻袋に、有機JASマークと認証機関名が印刷されていることもあります。
Tokyo Coffeeの焙煎所の生豆棚にも、「Control Union Certifications」と印刷された麻袋があります(写真)。SNöBI(スノビ)のコロンビア ウィラは、生産者の有機JAS認証がMayacertによるものです。どちらも、農林水産省の一覧に載っている海外の登録認証機関です。
生豆が有機でも、焙煎する事業者に認証が要る理由
農林水産省のQ&Aは、コーヒー生豆を「有機農産物」の例に、焙煎したコーヒー豆を「有機加工食品」の例に挙げています。農林水産省のハンドブックは、加工にあたる例として加熱や粉挽きを挙げています。焙煎は加熱です。豆を挽いて粉にするのも、加工にあたります。
有機JASは、認証を受けた事業者が、自分で生産したものにマークを貼る制度です。生豆のマークが示すのは、生豆までです。焙煎した豆に「有機」と表示するには、焙煎する事業者が「有機加工食品の生産行程管理者」として認証を受け、自分で格付をします。
| 生豆 | 焙煎した豆 | |
|---|---|---|
| 区分 | 有機農産物 | 有機加工食品 |
| 規格 | JAS 1605 有機農産物 | JAS 1606 有機加工食品 |
| 認証を受ける事業者 | 産地の生産者など | 焙煎する事業者 |
| 主な基準 | 収穫前3年以上、化学的に合成された肥料と農薬を原則使わない | 有機の原料を使い、混入と汚染を防いで加工する |
有機加工食品の規格が、焙煎する事業者に求めることは次のとおりです。
- 原材料の有機の生豆は、有機JASの格付を受けたものを使う。
- 有機の豆に、ほかの豆が混ざらないように管理する。
- 製品が農薬や洗浄剤、消毒剤などで汚染されないように管理する。
- 加工は物理的な方法か生物の機能を利用した方法で行い、添加物は必要最小限にする。
焙煎した豆を袋に詰め替えるだけの事業者にも、「小分け業者」としての認証が要ります。
SNöBIの有機JAS
SNöBIの第一章の4種は、どれも有機JASの生豆です。焙煎するTokyo Coffeeは、2020年4月30日から有機加工食品の生産行程管理者として認証を受けています。
2026年7月からの認証機関は、JASCERT(一般社団法人日本農林規格認証アライアンス)です。4種とも浅煎りで、豆のままお届けします。
よくある質問
- 認証番号のない有機JASマークもありますか?
- あります。包装などのほかの表示で、生産行程管理者や小分け業者、輸入業者などがわかる場合は、認証番号を省略できます。
- 生豆の袋のマークと、焙煎した豆の袋のマークは同じものですか?
- 図柄は同じです。生豆は有機農産物として、焙煎した豆は有機加工食品として、それぞれの段階で認証を受けた事業者が格付し、マークをつけます。
- 認証機関は、どこで調べられますか?
- 農林水産省のサイトの「有機登録認証機関一覧」で、国内と海外の登録認証機関を確かめられます。
- SNöBIのコーヒーは、どこで焙煎していますか?
- 東京のTokyo Coffeeの焙煎所です。Tokyo Coffeeは、有機加工食品の生産行程管理者として認証を受けています。




